シフォンケーキ


※シフォン(絹)ケーキとは別名「エンゼルケーキ」と呼ばれて

名前のとおり天使の羽の如くふわふわのスポンジケーキです。

卵白をベースにした別立て生地は
口の中で溶けてゆくその食感が
一時期フランス全土を
魅了してその後アメリカに広がり
一世を風靡した
お菓子です。

しかしあくまでも生地を楽しむため、生クリームは
添え物として扱われていたので
コクと香りの強いカステラが嗜好の日本では
ほんの少しの間もてはやされただけでした。
そもそも柔らかすぎるこの生地は
フルーツをサンドしたり
表面に飾ったりすると
その重さ故、つぶれてしまうので
あまりデコレーションには向いていません。

私自身もシフォンケーキの存在を忘れていたのですが

もう一度創造意欲を奮い起こさせる出来事がありました。

それを踏まえて読んでいただければ幸いです。
 

そろそろ松も取れるというのに
見習いの頃にシフォンケーキの
作り方を
教わった古い小さなケーキ屋のじいさんが
去年亡くなっていた。
ここ何年か、ご無沙汰してたけど
昔はずいぶん可愛がってもらったんだよ。

じいさんには子供がいなかったからね。
普段は仕事が終わってから行ってたけど
俺の休みの日には
朝から一日中狭い作業場で
二人してクッキー焼いたりムースを仕込んだりしてね。

そんで夕方近くなると残った卵白で
シフォンケーキを作るんだ。

それも一回に4台だけ!
次の日には全部売れちまうのに

何故か俺が行く時にしか焼かなかったなあ!

今となっちゃわからないけど
あれは俺に早く覚えさせるためだったのかい?

じいさんの親戚が言っていた。
焼き終わったスポンジの横で倒れていたんだって。

生涯現役だったんだなあ!
75歳だぜ!
もう稼働する事のないミキサーや
半分蓋の壊れたオーブンは

みんなお払い箱さ
ただの鉄くずになっちまうんだ!

身内の人間に何か使える物があれば
もって行ってかまわないと言われて

あの頃使っていたシフォンケーキの型を
もらってきた。

じいさん、あんたのシフォンケーキは
焼き型と一緒にうちで暮らす事になったよ!

早速焼いてみたんだ!
どうだい?出来栄えは!

 なあ! なあ! なんか言ってくれよ!あの頃みたいになんか言ってくれよ!
忘れちゃいねえよ!こんなにうまくできたんだぜ!
なあ!なんか言ってくれよ!
じいさん、ありがとう..........。

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by mannmani | 2011-01-08 00:02 | ケーキ | Comments(0)

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