母親そして後悔

四人兄弟の私は次男坊に生まれた。
当時長男は喘息持ちで体が弱かったし
最初の子という事もあり、
まるで腫れ物でもさわるように大事にされていた。

そして紅一点の妹は文字通り
目の中に入れても痛くなかっただろう。
末っ子の弟は私と9歳離れている。
親にしてみれば最後の子が可愛くないはずがない。
故に三者三様に愛情を注がれていた。

はっきりいって中途半端な私はこの三人に比べ
それほどの関心事ではなかったように思える。

え?子供に対する愛情はみんな同じ?
そんなわけないよ!順番があるんだ!
それなりの立場の中で順番ってものが!.......、

私に対する愛情は一番下だったんだろうな!
そんな気がしていた。

そして私が23歳の時、父親は死んだ......。

その後、兄弟で一番最後に所帯を持った私に
結婚式場で母親は私にに小さな包みをくれた。
古い茶色いシミの付いた汚い箱だった。
私は大して気にも留めず、中も見ないまま忘れていた。
そしてその後、母親はガンを患い,あっけなく死んじまった。
さほど悲しくもなかったっけ.......。

その5年後、部屋の整理をしていたら
偶然引き出しに当時、渡されたその包みを見つけた。
恐る恐る開くとそれは50年前の宮参りに着せた私の着物と
当時撮った写真が入っていた。


.........、おい!お袋!ふざけんな!これ、どうするんだよ!

いまさらこんなもん、どうするんだよ.......、

愛情は四番目だったんだろ!ちがうのか!
店の開店祝いに来なかったくせに
クリスマス時期にいきなり店に来やがって
「邪魔だ!」って言ったら何も言わず帰っていったよな!

どうすんだよ!

…もう…謝れないじゃねえか!
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Commented by ひろみん at 2012-05-13 21:53 x
親の子どもとしての自分の経験から、子どもへの愛情が全て平等ということは無いと思う。また子どもの親としての自分の経験から、どの子の成長も嬉しく(時に憎たらしいけれども)愛おしいと思う。
親は先に亡くなるので、受けた恩と愛情は次の世代に返すしかない。全ては、いつか来た道で、いつか行く道ですから。
Commented by まんまに at 2012-05-15 06:50 x
ひろみんさん、まったくそのとおりだと思います。
誰もが来た道で行く道なんですね!
勉強させていただきました。
ありがとうございます。
by mannmani | 2012-05-13 11:18 | 心象風景 | Comments(2)

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