月人

それは気が遠くなるような太古の話、
月には、ある生命体が存在していた。
言うなれば月人である。

そして彼らは、非常に高度な文明社会だった故に
近い星である地球に関心を持っていたのだ。

昔話にもあるように「かぐや姫」が一つの証拠である。
地球がどのような星であるかを探るべく当局は
女スパイを送り込んだ。
そしてデータの収集は成功…、

しかし、地球での育て親の優しさや、
いいなづけの地球人に
情をうつしてしてしまった女スパイは月に戻っても
地球の暮らしが忘れられず、脱走を企てたが失敗、
いとも簡単に処分されてしまい、
その後、何もなかったように、
月の日々は過ぎていった。

だが、大宇宙における自然現象というのは
残酷なもので、
この先、正確な限界がわからないまま
月の酸素はほぼ無くなり、
いずれ重力は半分以下になってしまう、
そんな事実が当時の科学者によって判明した。
それは月人においての生存が、
まず不可能になるという事だった。

だからこそ、その事実に不安を余儀なくされた月人は、
驚異の大移動計画として、安住の場所を地球に向けたのだ。
そして持ちうる全ての文明と知識を地球に運び込み、
完璧な移動を成功させて、月には何も残さなかった。

しかし、それはあまりにも膨大なエネルギーを使うという
誤算があったため、
地球は、それに耐え切れず、時間の壁に
亀裂を生じてしまい、
何百年という単位で過去に戻ってしまった。

たしかに月人は地球という惑星に忍び込む事に成功したが、
残念な事に長年培った文明や知識の全てを失ってしまった。
つまり月という星の記憶そのものが消滅したのである。

それから更に長い年月が過ぎ、
もう誰も月人の存在も知らない、
地球はすべての事実を寛大に受け入れたのだ。
しかし、月人としてのDNAは確かに残っている、
それは満月の夜に狼に変身する話や、
月でウサギが餅をつく伝説、
三日月の夜空に涙する人魚など…

これからも月を思い慕う心は永遠に
受け継がれていくのだろう。

さて、あなたは月に何らかの思い入れがあるとしたら、
それは多分…

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by mannmani | 2016-05-09 12:52 | 心象風景 | Comments(0)

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